いつも僕が訪れるのを楽しみにしてくれてる大正生まれのおばあちゃんがいる。ベッドに横たわり僕を見つけてにっこりする姿にいつも癒されてしまう。
「うちのおとうちゃんは、戦争中飛行機を造ってたのよ。」 「B-29が飛んでくのを畑仕事しながら見てたのよ、どうせここには爆弾落とさないし。」 「脳梗塞で右手がもう動かないの、早く楽になりたいのよ。」 「おとうちゃん今体調くずしちゃって入院してるんだって。」
なんて話をききながらマッサージしてあげてるところへ娘さんが訪ねてきたみたいなのでとなりのおばあちゃんのところへうつった。
そこにおばあちゃんのビックリした声、そして 「しょうがないね、しょうがないね・・・」 僕に、「先生、うちのおとうちゃん死んじゃったんだって、しょうがないよね・・・」 89歳で逝かれたそうだ。
娘さんが帰った後僕に 「あたしもはやく楽になりたいな」と言った。こんな時何と言ったらよいのか、「こればっかりは順番だからね、おじいちゃんは今楽になったんだよね、先に行って待ってるわけだし、気楽にいこうよね。」 「そうだね。」
僕の死生観では、死はやはり終わりではない、さなぎから蝶になるようなもの、ましてや天寿を全うした方には、おつかれさま、ありがとう、と言ってあげたい。
「神が愛であるならば、神は、この人の生涯のこの死の瞬間が、その人の最良の瞬間である事を知っている。たとえこの人が長く生きようと短くしか生きなかろうと、それに応じて神が永遠の生命の与え方を加減するわけがない、また、死ぬ人たちも、現生よりもなを悪い罰を永遠にわたって受けるわけがない。わたしは神の愛を信じます。」
E、キューブラーロス
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